高校回り３日目。９校回りました。

今日行った高校の受付には、
ウエジョビ卒業生の Ｉ君がいます。

「長野県職員　初級事務」に合格すると
最初の３年間は県内公立高校の事務に
配属されることが多いのです。

ですので、高校回りをしていると
結構な確率で卒業生に出会います！

卒業生の元気な姿が見られることが
最高に幸せです！！

きびきび働く Ｉ君の姿を嬉しく眺めながら、
ちょうど２年前のことを思い出していました。

２年前のこの時期
かなり蒸し暑い日でした。

私は Ｉ君がこの高校に配属されたことは知らずに、
受付に顔を出しました。

「上田情報ビジネス専門学校の比田井と申しますが…」

すると
「校長先生！！」と Ｉ君が窓口に
駆け寄ってきてくれたのです。

にこにこの笑顔で、

「この３月にウエジョビを卒業した Ｉです。
　おかげさまで、長野県職員に合格して
　この高校に配属になりました。

　ウエジョビではお世話になりました。
　ありがとうございました！！」　って。

もう、感激しました！
嬉しくて嬉しくて、

「頑張ってるね！！
　声かけてくれてありがとう！
　なかなかこんなこと言えないよ。
　 Ｉ君、素晴らしいね！！」

…と、
公務員科の先生たちも元気だよ～…など
少し言葉を交わしていたのですが…

ふと見ると、
Ｉ君のネクタイが緩んでいました…。

ちょうど蒸し暑い日で、しかもクールビズ直前で…
きっと暑くて、ついつい緩めてしまったのでしょう。
気持ちはわかります。

…でも、ウエジョビではありえない姿です。

ウエジョビでは、入学式の時に
きちんとネクタイを締めていない学生には
結び方の指導から始まりますから…。



一瞬、言おうかどうしようか迷いました。
でも、大事な大事な卒業生です。
ここで教えてあげるのが彼のため…。

学生時代は言葉を交わしたこともなかったのですが
勇気を出して伝えました。

「 Ｉ君、ネクタイ、ゆるんで…」

と口にし始めると
Ｉ君はハッとして、すぐにネクタイに手をやり、

「先生、すみません、
　暑くてつい…」

真っ赤な顔をしながら手早く直して

「教えてくださって
　ありがとうございました」

と、しっかり頭を下げてくれました。

あぁ、素直ないい子だな、
こういう子は、きっと周りからもかわいがられて
伸びるだろうな、と嬉しく思いました。


そんなことがあった次の週の職員朝礼で
私は Ｉ君のことを話しました。

ただ、ネクタイのことは話さずに、

高校の受付事務に配属された Ｉ君が、
私のことを見つけて駆け寄って来て
素晴らしい挨拶をしてくれたこと、
「挨拶の心、感謝の心」を育ててくれた
担任の先生のおかげだと…

そんなことをお伝えしたのです。
先生たちもニコニコと話を聞いてくれ
担任の先生も本当に嬉しそうでした。


さて、それから数カ月後…

私は高校回りで、また
Ｉ君のいる高校にお邪魔しました。

また、受付で Ｉ君が出てきてくれたので、
声を掛けました。

「この前、 Ｉ君がすぐに挨拶に来てくれたことと
　お礼をしてくれたことが本当に嬉しくてね、
　あの後、職員朝礼で先生たちに話したんだよ！
　担任の先生も喜んでいたよ！

　…あっ、ネクタイのことは話してないから
　安心してね！」

すると…

Ｉ君が、こんなことを言ったんです。

「先生、ネクタイのこと、
　話してくれていいんですよ。

　私、校長先生にネクタイのこと、教えてもらって
　本当に良かったと思っているんです。
　
　先生が言ってくれなければ、
　気づかないままだったかもしれないから…。

　だから、後輩達には
　同じ間違いをしてほしくないから、
　学生たちに、ぜひ私の話をしてください！

　こういう間違いをしないようにと…」

もう、鳥肌が立ちました。

Ｉ君は、なんてまっすぐなんでしょうか…。
頭が下がります。

卒業しても、
後輩のためにと考えてくれている、その気持ちが
本当に嬉しかったです。

ありがたいです。
本当にありがたいです…。

たくさんの卒業生たちに支えられて
今のウエジョビがあるんだなぁと
つくづく思いました。

Ｉ君の気持ちを無駄にしないように
学生たちに伝えていきます。

でも、一番伝えたいのは、
「ネクタイを緩めてはいけないこと」
…ではなく、

注意されたことに感謝をし、さらには
「後輩たちが同じ過ちをしないように
　自分のミスをみんなに伝えて欲しい」
と言ってくれた
Ｉ君の思い、 Ｉ君のあり方です。

Ｉ君、本当にありがとう！
Ｉ君のあり方、勉強になりました。


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