180-木下晴弘先生inウエジョビ比田井塾2
昨日の続きです。
木下晴弘先生は、「奇跡のリンゴ」で有名な
木村秋則さんのある「勝負」の話をしてくださいました。
木村秋則さんは、
数年前にかなり有名になってご著書も何冊も出されているので
知っている方も多いかもしれませんが、
知らない方のために、もうひとつのブログ
ヒダカズの「ココロの授業」比田井通信編にて、
まずは、木村秋則さんのことに関して載せています。
↓まずはこちらを読んでください。
(木村秋則さんのことを知らないと、この後の話が
わかりづらいので)
奇跡のリンゴ1
奇跡のリンゴ2
さて、木村秋則さんは、
無農薬でリンゴを育て、
とても美味しいリンゴが作れるようになりましたが、
その農法を生かして、
お米でも、普通では考えられないような収穫を
得られるようになっていました。
稲作では、一反(約300坪)では
良くて5~6俵程度のお米が収穫できるそうですが、
木村さんが作ると
一反12俵のお米が収穫できるそうです。
そのことを知ったAさんという方が、
「そんなに採れるわけがない。
それが嘘じゃないというのなら、
俺と勝負をしよう!」
と言ってきたのです。
木村さんは、もちろん、
勝負なんてしたくないのでお断りしたのですが、
それでもどうしてもとしつこく食い下がられて、
やむにやまれず、しぶしぶ勝負を引き受けます。
全く同じ条件の土地を半分に分け、
同じ苗を半分に分けて植え、
収穫量を競うことになりました。
まず苗を植える前に
Aさんは、土をできるだけ細かくしました。
木村さんは、くわでざっくり耕すだけ。
土の中には、土の固まりがゴロゴロしています。
苗を植えてからは、
Aさんは、化学肥料を与えます。
木村さんは、まったく肥料を与えません。
Aさんは、雑草を丁寧にキレイに抜きます。
木村さんは、自転車のチェーンを引きずって、
苗の間を歩いただけ。
(チェーンにひっかかった雑草の芽が取れる程度)
そんなふうにして苗を育てた結果、
夏にはAさんの稲は見事に成長し1mほどの背丈になりましたが、
木村さんの稲はAさんの稲よりもずっと短いまま。
ところが、
収穫直前の1週間で、
木村さんの田んぼの稲は、グングンと成長します。
1.5m以上に育った木村さんの苗は、
たくさんの稲穂を見事につけました。
そして、収穫してみた結果…
Aさんの田んぼは6俵、
木村さんの田んぼは12俵のお米が採れたそうです。
なぜこんなに差がついたのでしょうか?
…それは、
稲を引っこ抜いてみてわかりました。
木村さんの稲の根っこは、
Aさんの稲の根っこの3倍近く伸びていたのです。
Aさんは、土をさらさらにして化学肥料をまきました。
ですので、根は苦労しなくても伸びることができ、
また苦労しなくても栄養を吸収することができます。
だから、そんなに根が伸びませんでした。
木村さんは、土の固まりがゴロゴロある状態で、肥料を一切あげませんでした。
ですので、根は簡単には伸びることができません。栄養も足りません。
だから、根は一生懸命、力の限りを尽くして
あちこちに根を伸ばし、少しでも栄養を取ろうと
頑張っていたのですね。
Aさんの稲が、上の目に見える部分を伸ばしている間に、
木村さんの稲は、目に見えない部分を
一生懸命に伸ばしていたのです。
根を張っている時は、上に伸びないんです。
上に伸びる余裕がないのです。
でも、しっかり根を張った後は、
ぐんぐんと上を伸ばすことができるんですね。
人間も同じじゃないですか?
なかなか目に見えるところが伸びて来ないという時…
点数が上がらない、成果が出ない、という時こそ、
しっかり根を張る時期なのではないでしょうか。
「根を張る」とは、
ウエジョビで言えば、あいさつ、そうじ、素直 の
3つの約束でしょう。
それを一生懸命にやって、
勉強も一生懸命にやっていれば、
必ずいつか、上に伸びる時がくるでしょう。
「人間万事塞翁が馬」
という言葉を知っていますか。
中国に老人が住んでいました。
ある時、その老人の馬が逃げていってしまいました。
近所の人々は気の毒がって老人をなぐさめに来ました。
「残念でしたね」と。
ところが老人は
「そうですかねぇ~?」と、残念がる様子もありません。
しばらく経ったある日、
逃げ出した馬が他の馬をたくさん連れて帰ってきました。
そこで近所の人たちが「良かったですね!」とお祝いにいくと、
老人は
「そうですかねぇ~?」と、喜ぶ様子もありません。
しばらくすると、
老人の息子さんがその馬から落ちて足を骨折してしまいました。
近所の人たちがかわいそうにと、なぐさめに行くと、
老人はまたしても、
「そうですかねぇ~?」
その後、戦が始まり、
若者達はみな戦いに出て行き、たくさんの者が亡くなりました。
しかし、老人の息子は足を怪我していたので、
戦いに行かずにすみ、無事でした。
…と、こんな話なんですね。
つまり、
「出来事自体が、幸か不幸かはわからない」
ということのなですが、
人生って言うのは、悪いことが起こっている時に、
幸せの芽が出てきているんです。
ただ、そのためには、
どん底に落ちた時に、ニコニコ笑って頑張ることがだいじなんです。
キツイことがあるから、人間は魅力的になれるんです。
マラソンランナーの高橋尚子選手の座右の銘に
こんな言葉がありますよね。
「何も咲かない寒い日は、
下へ下へと根を伸ばせ」
もしも、今、なかなか成績が伸びないとか
結果が出ない、という人がいても、
それは、今は根を下に伸ばす時期なんだと思って
一生懸命に根を張ってもらえたらと思います。
…木下先生のお話、感動的でした。
学生達も真剣に聴いていました。
最後のムービーでは
涙している学生もいました。
帰りのエレベータで一緒になった女子学生に感想を聴いてみましたが…
みんな感動しすぎて言葉にならない、という感じでした。
気持ちが高揚している様子が伝わってきました。
みんな目がキラキラ輝いていて、
「頑張るぞ!」と、エネルギーを感じさせる目を
していたことが、本当に嬉しかったです。
それにしても、木下先生さすがですね。
頑張っているのに点数が伸びない、
頑張ってはいるけど、合格できるか不安で不安で仕方がない、
という学生達のために、
こんなお話をしてくださったなんて…。
もう、ありがたくてありがたくて…。
お話自体も感動的だったのですが、
木下先生の心がありがたくて、さらに感動が高まりました。
間違いなく学生の心に響いたはずです。
木下先生とのご縁を頂戴できたこと、
改めてありがたく思いました。
木下先生、本当に本当にありがとうございました!
↓こちらもよろしくお願いします!
私が一番好きないつものSHR
最新の記事は
学びは広がるんだね!
関連記事