面接ラリー。



印象に残った、もう一人の学生の話。
あ、この話は以前公開した、親チャンネルの動画の中でも話していることです。




女子学生の個人面接。

面接が終わって、
アドバイスが終わって、
退室の前に、ふと思い出したことがありました。

彼女の母校の進路指導室を訪問した時のことです。

(私は、年に数回、長野県内の高校を訪問して、
　卒業生の頑張りを伝えてきています)

せっかく思い出したので、
Hさんに声をかけました。

「そう言えばHさん、
　Hさんの高校に、Ａ先生って女性の先生がいるでしょう。

　その先生に、２月に会ったらこんな風に言っていたよ。

　『今年はウチの学校から、Hさんがお世話になります。
　　Hさんは、高校時代から、公務員になりたくて、
　　ものすごく一生懸命に勉強していたんですよ。
　　真面目で、すごくいい子なんです。

　　彼女、どうしても夢をかなえたいって言って、
　　一人暮らししてでもウエジョビに行くって。

　　だから校長先生、
　　Hさんの夢をかなえてあげられるよう
　　ご指導、よろしくお願いします』　ってね、

　そう言って、深々と頭を下げてくれたんだよ」

Hさんは、ものすごくびっくりした顔をしていました。
「先生がそんな風に私のこと、言ってくれたんですか…！？」

「そうだよ。
　こうやって私に頭を下げて、
　お願いしてくれたんだよ。
　ありがたいね。
　
　…そうそう、４月に訪問した時は
　今度、男性のH先生に会ったんだよ。」

「H先生、私の担任の先生です。」

「そうだよね、そう言ってた。
　でね、H先生も、A先生と同じようなこと言ってたよ。

　『彼女は、ずっと陸上を続けてきて、
　　ものすごく頑張り屋さんだったんです。

　　どうしても公務員になりたいって早くから言っていて
　　本当に頑張って勉強してきていたんですよね。

　　だから、彼女には公務員になってほしいんですよ。
　　よろしくお願いします』　って。」

…Hさん、信じられない、という顔をしていました。

まさか、先生たちが
自分のことをそんなにも気にかけてくれているなんて
思ってもみなかったのでしょう。

私は続けました。

「自分じゃ気が付かないかもしれないけど、
　先生もお家の人も、みんなHさんのこと、応援しているんだよ。

　これだけ応援してもらえているんだから大丈夫だよ。
　
　だから、周りの人に感謝しながら
　頑張っていこうね」

…彼女の目には見る見るうちに涙がたまっていきました。

誰も知っている人がいない
新しい場所で、初めての一人暮らしをしながらの
ハードな勉強…。

もう、勉強のこと、自分のこと、学校のことで
いっぱいいっぱいで、
親のことや、周りのことが見えなくなっていたことでしょう。

親や高校の先生たちまでもが
応援してくれているなんて気が付かないでしょう。
それは仕方ありません。
それだけ目の前のことに一生懸命な証拠です。

今までにも、きっと、辛かったり、苦しかったり、
投げ出したくなったりしたこともあったでしょう。

でも、自分のことを思ってくれている人が
こんなにもたくさんいる…。
こんなにも応援してくれている…。

緊張しながらも
精一杯頑張った面接ラリーがやっと終わったところに来て
最後にこんな話を聞いて…
先生やお家の人の顔を思い出して、
ホッとしてしまったのかもしれません。

頑張っているからこその涙なんでしょうね。

涙でいっぱいになった彼女の瞳、
そして彼女の紅潮した表情…。

…忘れられません。(*^^*)

「素直で、素敵な感性を持っている女性だなぁ…」と
感動してしまいました。

また学生から教えられました。